2015年12月1日火曜日

厚切りジェイソンの本



12月になりました。

一度雪が降りましたが暖冬らしくまだまだ暖かい日々が続きますね。

こんな冬には厚切りジェイソンの本を読みましょう。



日本のみなさんにお伝えしたい48のWhy
厚切りジェイソン/著
出版社名 : ぴあ
出版年月 : 2015年11月
ISBNコード : 978-4-8356-2850-9 
(4-8356-2850-0)
税込価格 : 1,296円で販売しています。

芸人×IT企業役員、厚切りジェイソンによるポジティブな人生相談。
[目次]
第1章 仕事・学業編
第2章 人間関係編
第3章 社会編
第4章 夢編
第5章 哲学編

第6章 人気ツイート集


大好評の糟谷茂男の弟、篤二の昔の話第9話を載せます。

五月の夕暮れ

 忙しい田仕事の父母はいつまでたっても帰って来なかった。新緑の五月の夕暮は、単衣をとほして爽やかにものしづかだった。僕達は川原の草ッ原や丘で次から次と遊びをかえて遊びほうけた。
川の中の虫が羽化して、すきとほった虫になって夕暮れの空をとんだ。何でもない虫だったが空いっぱいに拡がってとぶのは五月の空にふさはしく爽やかに透きとほって淡い感じだった。僕達はそれを「こうもり」とよんだ。本物のこうもりを何かのはづみに取りちがへたものだった。
こうもり 来い
こうもり 来い
と呼びあって夕焼の中を駆けまはった。このこうもりが飛ばなくなって、暫すると蛍が出た。
もう一つは、山の柴を刈ったあとに何の木であるか小さい梄栖の葉に似た木があった。それには五月頃にするとコブの様な実がなった。青い色に紅みを及びすかんすかんした実だった。それをとって誰いふとなく
坊主ぼっくり やあまいも
にいても 焼いても 食はれやせん
と唄ひつ、その実を叩いた。
家の近くでは女の子が新しい麥藁(むぎわら)で段々ねぢれあがる麥藁(むぎわら)籠をつくっていた。その中に田にいる父母が牛の背に青い匂ふ草を山程つんで帰ってきた。僕達は草履を放って明日の天気を占った。




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